空き家の増加が全国的な社会問題になっています。2013年の京都市内の空き家は114,500戸で、率にして14.0%となります。
全国平均(右図)と比べてもほぼ同程度といえ、京都市内の空き家の中にはいわゆる町家物件も少なくありません。
建物の保全意向は高く、できる限り残したいと考えている人が36%にのぼるものの、建物を保全していく上での問題点として、
※相続税で負担をかけること:40.0%
※相続時の財産分与:30.1%
※維持修繕費の負担:74.2%
※安心して貸せる相手を探すのが困難:12.8%
※特になし:9.2%
という数字からは、「相続税が払えずに遺産放棄をしてしまった」、「リノベーションしたいが費用がない」のような建物は残したいが維持しきれなくなったという現実が垣間見えます。
行政もこうした空き家の活用に積極的に取り組まざるを得ない状況となっており、京都市も例外ではありません。
参考:京都市空き家の活用・流通支援等補助金について
藏やは、そのような空き町家を旅行者のための宿としてリノベーションすることで、オーナー様はもちろん、宿として利用する旅行者、その旅行者が増加により賑わいを取り戻す近隣の商店や町全体が活性化するのではないかと考え、2014年より事業化を始めました。とりわけ京都という世界でも有数の観光地であり、歴史や文化が凝縮されている場所においては、単に目新しく、旅行者の利便性のみを優先するだけではなく、そうした歴史や文化の保全、継承も考慮する必要があるため、藏やでは昔ながらの町家の建築をできる限り当時のまま再現することに努め、同時に最新の技術を取り入れ、観光客として京都に訪れた方に他の宿では体験することのできない心地よい空間を提供することを目指しています。
幸いにも最初の藏やとなった清水五条は利用者からも好評をいただいており、私たちが目指していた方向に間違いがなかったことを確信しています。
収益の一部はオーナー様にも家賃収入としてお支払いすることができ、空き町家物件の再活用方法として藏やをさらに広げていきたいと考えております。
空き家物件のオーナー様向けに定期的な相談会や藏やの宿を実際にご覧いただく体験会なども企画しておりますので、藏やに興味をお持ちいただけましたら、まずはご相談いただけますと幸いです。